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『成瀬は都を駆け抜ける』全話あらすじ&感想|成瀬あかりの成長と“完結”が胸に刺さる理由

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なぞ九郎:
山田ぁ……成瀬が、ついに“都”を駆け抜ける時が来たぴよ🏃‍♀️✨
中学生だったあの子が、京大生になって帰ってきたのだ。
しかも相変わらず、全力・一直線・ブレなし……!
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山田:
舞台は滋賀から京都へ。
でも不思議と、成瀬あかりの“芯”は何ひとつ変わっていない。
変わったのは、彼女を映す世界のほうかもしれないな。
なぞ九郎アイコン
なぞ九郎:
これは成瀬あかりの“現在地”を描いた物語。
そして、成瀬に照らされてきた人たちの物語なのだぴよ。
全6編――走り抜けた先にあるものを、一緒に見届けるのだ🐧📘

📚全話あらすじと書籍紹介

やすらぎハムエッグ

京大理学部に進学した坪井さくらは、想いを寄せていた同級生が東大に進学したことで虚無感を抱えていた。入学式から逃げ出したさくらは転倒し、そこで振袖姿の成瀬あかりと出会う。京大での新生活は、この偶然の出会いから静かに動き始める。

実家が北白川

京大農学部に合格し、実家から通学する梅谷誠は、大学構内で「達磨研究会」と名乗る先輩たちに出会う。森見登美彦作品を語る会かと思いきや、実態は鍋と桃鉄を楽しむ集まりだった。やがて誠は、“黒髪の乙女”を探す騒動の中で、成瀬あかりと坪井さくらに遭遇する。

ぼきののか

簿記一級合格を目指す大学生YouTuber・田中ののかは、北野天満宮での生配信中に成瀬あかりと出会う。視聴者の注目を集める成瀬に嫉妬するののかだったが、配信中のトラブルをきっかけに大炎上してしまう。動揺するののかに、成瀬は意外な言葉を投げかける。

そういう子なので

成瀬あかりの母・美貴子は、娘が地元テレビ局の番組に出演すると知らされる。密着取材を通して、あかりのこれまでの歩みや、自身が抱えてきた後悔、過去の出来事と向き合うことになる。母の視点から描かれる、成瀬あかりの原点。

親愛なるあなたへ

競技かるたを通じて成瀬と知り合った西浦航一郎は、スマホを持たない成瀬と文通を続けていた。やがてLINEでの連絡が始まるが、すれ違いの日々が続く。想いを綴った一通の手紙をきっかけに、西浦は京都駅で成瀬と再会する約束をする。

琵琶湖の水は絶えずして

春休み中の島崎みゆきのもとに、成瀬から速達の手紙が届く。滋賀の病院に入院しているという成瀬の頼みを受け、島崎は大津へ向かう。翌日、成瀬から託されたのは、びわ湖大津観光大使の“代役”という思いがけない役目だった。

書籍紹介

作 者:宮島 未奈

出版社:新潮社

発売日:2025年12月1日

👥 登場人物

成瀬 あかり(なるせ あかり)

滋賀県大津市生まれ、同市在住の京都大学理学部1回生。
大学進学を機に京都を「極める」ことを決意し、ガイドブックに掲載された100か所を巡ることを目標に行動を開始する。大学入試後にびわ湖大津観光大使に任命され、入学後はスーパーでアルバイトも始めている。
圧倒的な行動力とブレない信念で、周囲の人々の人生にも静かに影響を与えていく存在。

坪井 さくら(つぼい さくら)

京都大学理学部1回生。「やすらぎハムエッグ」の視点人物。
不愛想で、勉強以外は何もできない自分に劣等感を抱く眼鏡女子。神奈川の田舎の高校から京大に進学した。同級生の早田に12年間想いを寄せており、成瀬との出会いをきっかけに、自身の感情と向き合っていく。

梅谷 誠(うめたに まこと)

京都大学農学部1回生。「実家が北白川」の視点人物。
北白川別当の実家から京大に通学している。達磨研究会のメンバー。小学3年生のときに森見登美彦『太陽の塔』を読んで以来、森見作品のファン。京都的空気感に強く影響を受けている。

木崎 輝翔(きざき きらと)

京都大学工学部2回生。達磨研究会の会長。
無精髭に茶髪、和装が似合う見目麗しい男性。愛知県出身。森見登美彦作品に強い影響を受け、大学構内でこたつを囲み火鍋を食べるなど、独自の活動を展開。
「黒髪の乙女」との運命的な出会いを本気で求めている。

大曽根 隼人(おおそね はやと)

京都大学経済学部2回生。達磨研究会のメンバー。
名古屋出身で、木崎とは中学時代からの付き合い。一条寺在住。共働き家庭で育ち、自炊が得意な料理上手。鍋奉行として会を支える穏やかなナイスガイで、女子からの人気も高い。

橿原 裕典(かしはら ひろのり)/かっしー

京都大学工学部2回生。達磨研究会のメンバー。
奈良出身で高野在住。通称「数式男」。逆らえない先輩の存在があり、突発的に麻雀へ誘われることもある。

田中 ののか(たなか ののか)

立命館大学2回生。「ぼきののか」の視点人物。奈良県出身。
日商簿記一級合格を目指し、YouTubeチャンネル「ぼきののか」を運営。普段は自宅配信だが、合格祈願の特別編で北野天満宮を訪れた際、成瀬あかりと出会う。

成瀬 美貴子(なるせ みきこ)

成瀬あかりの母親。
物事に動じない性格で、娘のあかりとよく似ていると言われている。娘を見守る立場から、成瀬あかりという存在の原点を静かに描き出す人物。

西浦 航一郎(にしうら こういちろう)

広島出身の京都の大学生。「親愛なるあなたへ」の視点人物。
競技かるた部所属。スマホを持たなかった成瀬と、鳩居堂のレターセットを使った文通を続けていた。手紙という手段を通して、成瀬との距離と感情の揺れを描く。

島崎 みゆき(しまざき みゆき)

成瀬あかりの幼馴染。「琵琶湖の水は絶えずして」の視点人物。
「凡人の自分は、成瀬を見守るのが役目」と考え続けてきた存在。シリーズを通して、成瀬あかりを最も近くから見続けてきた人物の一人。

💡 推しポイント

  • 成瀬は変わらない
    成瀬あかりは、相変わらずだぴよ。どこまでも真っ直ぐで、全力で、ブレーキを知らない。京都でも、京大でも、その圧倒的な行動力とカリスマ性は健在なのだ。
    でも──ただ同じ場所に立ち続けているわけじゃない。
    過去作で出会った人たち、積み重ねた時間、その全部を背負ったまま、次のステージへ進んでいる成瀬がここにいるのだ。
    変わらない強さと、確かに積み上がった“経験”。このバランスが、とんでもなく美しいぴよ。

  • 成瀬は語られ、照らされる存在
    この物語も、成瀬自身の視点だけでは進まない。
    京大の同級生、達磨研究会の先輩、簿記YouTuber、幼馴染の島崎みゆき、そして母親──。
    **成瀬を見つめる「他者の視点」**があるからこそ、彼女の異質さも、人間らしさも、より鮮明に浮かび上がるぴよ。
    「ああ、成瀬ってこういう人なんだ」そう思った瞬間に、「いや、まだこんな顔もあったのか」と裏切られる。
    成瀬は主人公であり、同時に
    **周囲の人生を動かす“現象”**なのだぴよ。

  • 京都という街が、成瀬を試してくる
    舞台は京都。歴史も記憶も積み重なった街に、成瀬はいつも通り全力で飛び込んでいく。京都の風景はどこかノスタルジックで、学生時代を過ごした人には、胸をぎゅっと掴んでくるぴよ。
    そこに新しい出会いと、過去作キャラの再登場が重なって、シリーズ読者へのご褒美感がとんでもないのだ。
    森見登美彦作品へのオマージュも感じられて、
    「京都×大学×青春」という舞台装置への愛が、ページの端々から伝わってくるぴよ。

  • 成瀬に触れた人は、人生を見つめ直す
    成瀬は超人だ。でもこの物語が優しいのは、
    成瀬そのものより、成瀬に影響を受けた人々を描いているところだぴよ。

    彼女に出会って、立ち止まる人。
    彼女を見て、自分の進路を考える人。
    彼女の背中に、救われる人。

    「誰かの全力は、誰かの人生を動かす」
    そんな当たり前で、でも忘れがちな真理を、この物語はそっと思い出させてくれるぴよ。

📖 『成瀬は都を駆け抜ける』

笑って、驚いて、気づけば背中を押されている。 成瀬あかりという存在が、京都の街と人の人生を次々に照らしていく連作短編。 シリーズを追ってきた人には最高の到達点、 初読でも「成瀬という生き方」に一気に引き込まれる一冊。

👉 読後、きっと誰かに勧めたくなる物語。

🐧なぞ九郎のひとこと

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なぞ九郎のひとこと:

こんなにも“みんなから愛される主人公”っているのか? そう思わされるほど、成瀬あかりの存在感は圧倒的だぴよ✨

続編って、期待を超えるのが一番難しいはずなのに──
この作品、余裕で超えてくるのだ…!

全6編、どれも文句なしに最高👏
前作が「成瀬と父」なら、今作は「成瀬と母」。 この母との短編がもう…… 心にじんわり染み込んできて、優しさで満たされるぴよ。

さらに前作「信じた道」のメンバーも再集結! でも別格なのは、やっぱり 「成瀬と島崎」=ゼゼカラコンビ🔥
最後の島崎とのシーン、涙腺は確実に崩壊するのだ。

ボクもその一人だけど、 読んでいるうちに気づくぴよ。 いつの間にか自分が、
“成瀬に照らされる側”になっているって。

「成瀬あかり史」を見届けられて、本当に良かった✨
成瀬にはこれからも、 もっともっと多くの人を照らしてほしいのだ!

……それと、ちょいちょい出てくる桃鉄。 最後に「あっ、そういうことか!」って繋がるの、 思わず笑ってしまったぴよ🚃🎲

🎯 こんな人におすすめ!

  • 成瀬シリーズのファン
    これまでのシリーズを追ってきた人にとって、これはまさに必読の一冊だぴよ。  中学2年生だった成瀬が大学生へ――。  成長の軌跡や、島崎との関係性の変化など、シリーズで積み重ねてきた要素がきれいに一つにまとまるのだ。

  • 自分に自信を持ちたい人/人間関係に悩んでいる人  
    成瀬あかりのブレない生き方は、読むだけで背筋が伸びるぴよ。  そして成瀬と関わった人たちが、少しずつ前を向いていく姿に、  「自分も変われるかも」と思わせてくれる力があるのだ。

  • 京都・滋賀の空気を味わいたい人  
    舞台は滋賀から京都へ。  土地への愛情が丁寧に描かれていて、ご当地小説としても満足度が高いぴよ。  森見登美彦作品が好きな人なら、ニヤリとするポイントもきっと刺さるのだ。

  • 前向きな気持ちになりたい人/気分転換したい人  
    ぶっ飛んでいるのに、ちゃんと周りを見ている――  そんな“成長した成瀬”の姿が、読後に心をスッと軽くしてくれるぴよ。  新生活の始まりや、ちょっと疲れた休日に読む一冊としてもおすすめなのだ。

📖 『成瀬は都を駆け抜ける』

笑って、驚いて、気づけば背中を押されている。 成瀬あかりという存在が、京都の街と人の人生を次々に照らしていく連作短編。 シリーズを追ってきた人には最高の到達点、 初読でも「成瀬という生き方」に一気に引き込まれる一冊。

👉 読後、きっと誰かに勧めたくなる物語。

📌 成瀬シリーズ関連記事まとめ

成瀬あかりという規格外の主人公を、最初からじっくり追いたい人はこちらもぜひ。
本作をより深く味わえる、過去シリーズの記事をまとめました。

📝 まとめ

『成瀬は都を駆け抜ける』は、

「成瀬あかり」という主人公の変わらなさ確かな成長を、これ以上ない形で描ききった一冊だったぴよ。

相変わらず全力で、周囲を巻き込み、常識を軽々と飛び越えていく成瀬。

でもその裏で、誰かの気持ちをちゃんと受け止め、

人と人の関係を大切にする姿が、静かに、確実に増えているのだ。

成瀬自身が語る物語ではなく、

“成瀬に出会った人たち”の視点で描かれるからこそ、

彼女がどれだけ多くの人生を照らしてきたかが、胸に沁みるぴよ。

前作が「成瀬と父」なら、今作は「成瀬と母」。

そして、島崎との関係を含めた“これまでの成瀬あかり史”が、

優しく、でも力強く、ここで一つの円を描くのだ。

読み終えたあと、

「自分も、もう少しだけ前に進んでみようかな」

そんな気持ちになれたなら――

それはもう、成瀬に照らされた証拠ぴよ✨

成瀬あかりは、やっぱり特別な主人公だった。

そしてこの物語は、人生のどこで読んでも背中を押してくれる一冊なのだ。

📖 『成瀬は都を駆け抜ける』

笑って、驚いて、気づけば背中を押されている。 成瀬あかりという存在が、京都の街と人の人生を次々に照らしていく連作短編。 シリーズを追ってきた人には最高の到達点、 初読でも「成瀬という生き方」に一気に引き込まれる一冊。

👉 読後、きっと誰かに勧めたくなる物語。