『リバース』原作あらすじと見どころ｜湊かなえが描く罪と赦しの衝撃ミステリー

📚あらすじと書籍紹介

深瀬和久は平凡なサラリーマン。唯一の趣味は、美味しいコーヒーを淹れる事だ。そんな深瀬が自宅以外でリラックスできる場所といえば、自宅近所にあるクローバーコーヒーだった。ある日、深瀬はそこで、越智美穂子という女性と出会う。その後何度か店で会ううちに、付き合うようになる。淡々とした日々が急に華やぎはじめ、未来のことも考え始めた矢先、美穂子にある告発文が届く。そこには「深瀬和久は人殺しだ」と書かれていた――。何のことかと詰め寄る美穂子。深瀬には、人には隠していたある”闇”があった。それをついに明かさねばならない時が来てしまったのかと、懊悩する。

『夜行観覧車』『Nのために』のスタッフが結集し、本作『リバース』は2017年にドラマ化。主人公の深瀬和久には藤原竜也。恋人役には戸田恵梨香。深瀬の親友、広沢由樹には小池徹平。深瀬の大学時代のゼミ仲間には市原隼人、玉森裕太、三浦貴大など出演し話題になった。

Amazonより

👥主な登場人物

• 深瀬 和久（ふかせ かずひさ）
  本作の主人公。事務機器メーカーに勤める地味なサラリーマン。コーヒーに蜂蜜を入れて飲むのがこだわりで、彼の人柄を象徴するような穏やかさを持つが、どこか自己肯定感が低く、過去に抱えた出来事の影に苦しんでいる。

• 越智 美穂子（おち みほこ）
  深瀬の恋人。パン屋「グリムパン」で働く。
  彼女は優しく温かい女性で、深瀬のささやかな日常に光をもたらす存在だ。しかし、ある日届いた“告発文”をきっかけに、彼の過去を知ってしまい、二人の関係は静かに揺らいでいく。

• 広沢 由樹（ひろさわ ゆうき）
  深瀬の大学時代の親友。スノボ旅行中に事故死した。彼の死の真相こそが、この物語の鍵を握っている。

• 浅見 康介（あさみ こうすけ）
  ゼミ仲間。現在高校教師として働き、過去の出来事への贖罪の意味を込めて禁酒を続けている誠実な男。

• 谷原 康生（たにはら やすお）
  ゼミ仲間。線路に突き落とされる事件に巻き込まれる。

• 村井 隆明（むらい たかあき）
  ゼミ仲間。父の政治的影響力に縛られながらも、自分の信念と現実の狭間でもがく姿が描かれている。政界に関わる。

💡推しポイント

• 📖 衝撃のミステリーと人間ドラマ
  平凡なサラリーマン・深瀬和久のもとに届いた一通の告発文――「深瀬和久は人殺しだ」。その言葉をきっかけに、彼は親友・広沢の死の真相を追うことになるのだ。事件の解明だけでなく、登場人物たちが抱える罪や後悔、そして再生の物語としての深みもあり、読後には静かな感動が残るぴよ。

• 🧩 緻密に張り巡らされた伏線
  さすが湊かなえ先生…と思わず唸るほど、ストーリー構成が緻密。何気ない会話や描写がすべて意味を持ち、最後に見事な形で繋がっていく。そして迎える衝撃のラスト――読者はきっと「そうくるか…！」と息を呑むはずぴよ。

• ☕ 日常の中の“非日常”
  深瀬のコーヒーの香り、カフェの静かな時間、恋人との穏やかな日々。そんな日常の風景が、過去の罪によって少しずつ崩れていく過程が見事なのだ。平穏の裏に潜む不安や罪悪感の描写がリアルで、「自分ならどうするか？」と考えずにはいられないぴよ。

• 📺 ドラマ版との違いも注目！
  2017年放送のドラマ版では、原作にはいない人物や事件の設定がアレンジされていて、別の解釈として楽しめる。原作を読んだあとにドラマを観ると、「この演出、そういう意味だったのか！」と新たな発見があるのだ。

🐧なぞ九郎のひとこと

なぞ九郎のひとこと：

ラストの数行で「えっ！？」と声が出たぴよ。 静かに積み上げてきた物語が、最後の瞬間に一気に裏返る――その衝撃はまさに湊かなえワールドの真骨頂なのだ。

読み始めたら止まらなくなって、気づいたら数時間経ってたという人が多いのも納得ぴよ。 伏線の張り方と回収の見事さ、そして深瀬の繊細な心理描写が読者の心をつかんで離さない。

罪と向き合い、赦しを求めながらももがく人々の姿は、美しくも苦しい。 誰も悪人ではないのに、誰も完全な善人でもない――その“人間の曖昧さ”が痛いほどリアルで、読後には胸が締めつけられるぴよ。

スッキリとは終わらないけれど、だからこそ心に残る。 ミステリーとしても、人間ドラマとしても完成度の高い一冊なのだ。

🎯こんな人におすすめ！

• 🔍 衝撃的な伏線回収を味わいたい方
  最後の一文にすべてが集約される――そんな圧巻の伏線回収が待っている。「まさか、そう繋がるのか…！」と思わず声が出るほどの衝撃。この一瞬を味わうためだけでも読む価値ありなのだ。

• 🎭 群像劇やパズルのような構成が好きな方
  登場人物それぞれの視点が少しずつ真実を明かしていく群像劇。バラバラだったピースが終盤で一気に繋がる瞬間は、まるで精密なパズルを完成させたような快感ぴよ。

• ☕ コーヒーの香りに癒されたい方
  主人公・深瀬の趣味はコーヒーを淹れること。蜂蜜入りの一杯を楽しむ描写が印象的で、読んでいると不思議と温かい香りに包まれるようなのだ。

• 😌 平凡なサラリーマンに共感できる方
  特別でも華やかでもない深瀬が、過去と向き合い、成長していく姿に胸を打たれるのだ。「自分にもこういう弱さがある」と感じた瞬間、物語がぐっと近くなるぴよ。

• 💔 「知りたくなかった真実」に触れたい方
  人は、真実を知ることで救われるのか――それとも壊れてしまうのか。この問いが物語の根底に流れています。読後には静かな余韻と、考え続けたくなる後味が残るのだ。

📺 ドラマ版『リバース』情報

• 放送局：TBS 金曜ドラマ枠 
• 放送期間：2017年4月14日 ～ 2017年6月16日 
• 話数：全10話 
• 主なキャスト
  • 深瀬 和久：藤原 竜也   
  • 越智 美穂子：戸田 恵梨香
  • 浅見 康介：玉森 裕太
  • 広沢 由樹 ：小池 徹平
  • 谷原 康生：市原 隼人
  • 村井 隆明 ：三浦 貴大
  • 村井 明日香：門脇 麦 
  • 他：YOU、武田鉄矢、志賀廣太郎、片平なぎさなど 
• 主題歌：「Destiny」／シェネル
• 配信状況：Hulu、Prime Videoで視聴可能  
  

📝 まとめ

湊かなえさんの『リバース』は、伏線回収・群像劇・心理描写のすべてが高水準で融合した傑作ミステリなのだ。

平凡なサラリーマン・深瀬が「親友の死」と「知らなかった真実」に向き合う姿を通して、人間の弱さや赦しの意味が静かに描かれているぴよ。

小説版ではラスト一行の衝撃が際立ち、ドラマ版では映像ならではの重厚な人間ドラマとして再構築。

どちらも「真実を知ることの重さ」をテーマにしており、読後（視聴後）は深い余韻が残るのだ。

☕ 静かな夜にコーヒー片手で読みたい、心に沁みるミステリ。

原作→ドラマ→もう一度原作、の順で味わうのもおすすめぴよ。