✍️読書記録

『神に愛されていた』考察・感想|才能と嫉妬と愛がねじれる作家同士の物語【木爾チレン】

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なぞ九郎:
山田ぁ……今日は“才能”がぶつかり合う物語だぴよ📚🔥
愛して、嫉妬して、憧れて、呪って……
人間の心って、こんなにもぐちゃぐちゃなのだ……!
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山田:
30年の沈黙を破り、語られる過去。
作家同士の“光と影”の関係。
これは謎というより、感情そのものの剥き出しだな……。
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なぞ九郎:
冴理と天音──
才能に選ばれた者と、才能に憑かれた者。
その視点が切り替わる瞬間……心臓、ぎゅぅってなるのだ……😮‍💨

📚あらすじと書籍紹介

「忘れようとしていた痛みが「ここ!」と叫んでいる」
――――作家・町田そのこ(「解説」より)

大ヒット作家・木爾チレンの「伝説の衝撃作」、ついに文庫化!

希望と絶望、羨望と嫉妬……
愛憎渦巻く、狂気の物語。

若くして小説家デビューを果たし、その美貌と才能で一躍人気作家となった東山冴理。
しかし冴理は人気絶頂のさなか、突然、筆を断った。
一体なぜ――。
やがて30年の時が経ち、冴理のもとへ、ひとりの女性編集者が執筆依頼に訪れる。
すると冴理は語り始める。
心の闇に葬った、戦慄のその過去を……。

これは才能を信じて生きた女性作家ふたりの光と影、あるいは愛憎の極致。
魂が震える傑作!

著者渾身の「文庫版あとがき」、作家・町田そのこ氏による「解説」も特別収録!

Amazonより

書籍紹介

作 者:木爾 チレン

出版社:実業之日本社

発売日:2025年10月3日

📖 『神に愛されていた』

これは「才能」と「愛」がねじれ続ける物語。 光と影、希望と絶望、その境界が読めば読むほど曖昧になっていくぴよ。
前半は冴理の視点。 けれど、後半で天音の視点に切り替わった瞬間、 これまでの言葉・行動・沈黙が一気に再解釈されるのだ。 伏線が一本の線になる感覚、あれは震える。

👥 主な登場人物

東山 冴理(ひがしやま さり)
本作の主人公。高校時代に文芸部で才能を示し、若くしてデビューした天才作家。しかし、ある理由から突然筆を折り、その後30年もの沈黙を続ける。作品の冒頭では、その沈黙の裏にあった「真実」を語り始めるところから物語が動き出す。

四条 花音(しじょう かのん)
出版社の編集者。冴理のもとを訪れ、再び小説を書くことを依頼することで物語の回転軸となる人物。過去を語る冴理の「語り手」と「聞き手」をつなぐ存在でもある。

白川 天音(しらかわ あまね)
冴理の高校時代の後輩であり、稀代の天才小説家。高校文芸部で冴理と出会い、互いに強い影響を与え合う。しかし若くして亡くなり、彼女の死は冴理に深い影を落とす。物語後半では天音自身の手記が登場し、冴理とは異なるもうひとつの真実が語られる。

嵐山 茉莉(あらしやま まり)
冴理の高校時代の後輩。冴理が大学生の時住みこみで家庭教師をしてもらう。のちに編集者となり冴理を公私ともに支える。

円町 舞衣(えんまち まい)
北大路 秋子(きたおおじ しゅうこ)
冴理の高校時代の後輩。高校卒業後も交流を続ける。

ヨーコ
冴理が大学時代にバイトしていたキャバクラの先輩。海外旅行をすることが夢。

💡 推しポイント

  • 🖋️ 作家と作家の魂のぶつかり合い
    東山冴理と白川天音。同じ「物語」を書く者でありながら、見ている景色がまるで違う2人なのだ。憧れ、嫉妬、依存、破壊。光と影が、互いの中でぐしゃぐしゃに混ざっていくぴよ。木爾チレンさん自身の「書く」という営みの痛みと熱がそのまま文字になったような迫力。読んでいるこちらまで、胸の奥がじりじり焼かれるのだ。

  • 🎭 美しさとドロドロが同居
    この物語の感情描写は、とても“きれい”ではないのだ。むしろ、泥と血と涙でできている。でも不思議なことに、その“汚さ”がとても美しい。才能は祝福にも呪いにもなる。愛は救いにも破壊にもなる。人間の心の奥底にある「見たくないもの」まで照らしてくるぴよ。

  • 📖 読み始めたら戻れない没入感
    展開は静かに進むのに、異様にページが止まらないのだ。気づいたら心が、物語の中に置いてけぼりにされている感覚になる。特に冴理パートから、天音の手記パートへ切り替わる場面──あそこは、読者の視点がひっくり返る瞬間なのだ。
    「わたしは何を見せられていたんだろう?」そう思わずにはいられないぴよ。

📖 『神に愛されていた』

これは「才能」と「愛」がねじれ続ける物語。 光と影、希望と絶望、その境界が読めば読むほど曖昧になっていくぴよ。
前半は冴理の視点。 けれど、後半で天音の視点に切り替わった瞬間、 これまでの言葉・行動・沈黙が一気に再解釈されるのだ。 伏線が一本の線になる感覚、あれは震える。

🐧なぞ九郎のひとこと

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なぞ九郎のひとこと:

これは「才能」と「愛」がねじれ続ける物語。 光と影、希望と絶望、その境界が読めば読むほど曖昧になっていくぴよ。

前半は冴理の視点。 けれど、後半で天音の視点に切り替わった瞬間、 これまでの言葉・行動・沈黙が一気に再解釈されるのだ。 伏線が一本の線になる感覚、あれは震える。

冴理は天音の光に追いやられた影。 でも、天音もまた冴理の存在に縛られた影。 2人は互いを“理解しうる唯一の存在”だったのに、 決して交わらない。 愛と嫉妬の螺旋が、苦しいくらい鮮やかぴよ。

そして作中に出てくる“某お笑いコンビ”。 彼らの代名詞コントは、2人の関係そのものなのだ。 観客は笑う。けれど、当人たちは笑えない。 「伝えたいのに伝わらない」って、こんなに痛いのだ。

書くことは、救いであり、呪いであり、祈り。 木爾チレン先生の“書く”に向き合う熱の高さが、 そのまま胸に刺さる作品だったぴよ。

🎯 こんな人におすすめ!

  • 才能と嫉妬の物語に惹かれる方
    若くして人気作家となった冴理と、彼女を追い抜くように天才として注目される天音。 希望、絶望、羨望、嫉妬が絡み合う愛憎劇が中心なのだ。 人間関係の「言葉にならない痛み」を読みたい人に刺さるぴよ。

  • ドロドロとしたミステリーを楽しみたい方
    才能の世界の“表”と“裏”。 そこに渦巻く濃密な感情が、読者の体に直接流し込まれるような読書体験になるのだ。 作品の熱量が高いので、一気読みしたい人向け。

  • 小説家という生き方に興味がある方
    「書くこと」への狂気・執念・愛が、物語全体に宿っているぴよ。 小説家が小説家の物語を書くというメタ構造が強烈で、 創作に関わる人なら必ず何か突き刺さるポイントがあるはず

📖 『神に愛されていた』

これは「才能」と「愛」がねじれ続ける物語。 光と影、希望と絶望、その境界が読めば読むほど曖昧になっていくぴよ。
前半は冴理の視点。 けれど、後半で天音の視点に切り替わった瞬間、 これまでの言葉・行動・沈黙が一気に再解釈されるのだ。 伏線が一本の線になる感覚、あれは震える。

📝 まとめ

『神に愛された』は、

才能と愛と嫉妬がねじれながら絡み合う、濃密な創作ミステリー。

若くしてデビューしながら筆を折った冴理と、

彼女を追い抜き輝き続けた天音。

ふたりは互いを理解し得る唯一の存在だったにもかかわらず、

決して同じ場所には立てなかったのだ。

物語は冴理の語りから始まり、

後半で天音の手記へと視点が切り替わることで、

読者はそれまで見ていた世界が「反転」する体験ができるぴよ。

光は影を照らし、影は光を際立たせる。

ふたりの感情は、どちらが正しいとも言えない。

「書くこと」とは何か。

「才能」とは残酷か。

「愛」は救いか、呪いか。

その問いが、読み終わったあとも胸の奥で熱を持ち続ける一冊なのだ。

📖 『神に愛されていた』

これは「才能」と「愛」がねじれ続ける物語。 光と影、希望と絶望、その境界が読めば読むほど曖昧になっていくぴよ。
前半は冴理の視点。 けれど、後半で天音の視点に切り替わった瞬間、 これまでの言葉・行動・沈黙が一気に再解釈されるのだ。 伏線が一本の線になる感覚、あれは震える。

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