✍️読書記録

『かがみの孤城』レビュー|辻村深月が描く、不登校・孤独・希望が交差する感動ミステリー

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なぞ九郎:
山田……もしさ、どこにも居場所がないって思ったとき、
目の前に扉が現れたら……おまえ、開けるか?ぴよ。
山田アイコン
山田:
……開けると思う。
そこに、自分を受け入れてくれる世界があるかもしれないから。
なぞ九郎アイコン
なぞ九郎:
そうだよな……。
『かがみの孤城』は、そんな扉を開けた先の物語ぴよ。
ただのファンタジーじゃなくて、心の奥に刺さるやつだ。
山田アイコン
山田:
うん。
孤独と希望、その両方を知ってる人にこそ読んでほしい一冊だね。
なぞ九郎アイコン
なぞ九郎:
……あれ?ぴよ?
(部屋の鏡が突然、眩しい光を放つ)
ま、まぶしっぴよーーーっ!!
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山田:
ちょっ…な、何これ!?
まさか……鏡の向こうが――

📚あらすじと書籍紹介

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。
輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。
そこには“こころ”を含め、似た境遇の7人が集められていた。
なぜこの7人が、なぜこの場所に――
すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。
本屋大賞受賞ほか、圧倒的支持を受け堂々8冠のベストセラー。

Amazonより

書籍紹介

作 者:辻村 深月

出版社:ポプラ社

発売日:2017年5月11日

👑主な受賞歴👑

  • 本屋大賞2018年
  • 王様のブランチBOOK大賞
  • ダ・ヴィンチ「BOOK OF THE YEAR2021」文庫部門1位
  • オーディオブック大賞2023 文芸部門 準大賞

👥 登場人物

  • こころ
    中学1年生の主人公。内気で自信がなく、いじめをきっかけに不登校に。ある日、自室の鏡から城へ招かれ、他の6人と出会う。

  • リオン
    明るく社交的な中学1年生の男子。サッカー好きで面倒見が良い。海外から日本人メンバーとの交流を大切にしている。

  • アキ
    中学3年生の女子。快活で姉御肌だが、思ったことをズバッと言う性格。部活や人間関係のトラブルから不登校に。

  • スバル
    中学3年生の男子。落ち着いた優しい性格で、メンバーの兄貴的存在。祖父母の家で暮らしている。

  • マサムネ
    中学2年生の男子。理屈っぽく口が悪いゲーム好き。学校より塾に通っており、知識は豊富だが人間関係に難あり。

  • フウカ
    中学2年生の女子。メガネが似合うピアノの腕前を持つ少女。人間関係や勉強の遅れから学校に馴染めずにいる。

  • ウレシノ
    中学1年生の男子。食べることが大好きで惚れっぽい。やや天然で場をかき乱すが、憎めない存在。

  • オオカミさま
    狼の仮面をかぶった城の案内人。尊大な態度でメンバーを導く謎の少女。

  • 喜多嶋先生
    こころが通うフリースクールの優しい先生。

  • 東条 萌
    こころの元同級生で唯一の友人。転校が多い家庭で育つ。

  • 真田 美織
    こころをいじめ、不登校に追い込んだ女子グループの中心人物。

💡推しポイント

  • 心の奥に触れる“寄り添い”の物語
    いじめ、不登校、孤独感――現代の中学生が抱える痛みを、真正面から丁寧に描く。
    読みながら、登場人物たちの“言葉にできない気持ち”がじわじわ胸に染みる。

  • ミステリーとファンタジーの絶妙な融合
    鏡の向こうに現れる城、謎めいたルール、オオカミさまの存在。
    不思議さと現実感が混ざり合うことで、物語から目が離せなくなる。

  • キャラの背景がすべて物語に効いてくる構成
    誰ひとりとして“ただの脇役”はいない。
    全員の過去や秘密が、終盤の怒涛の展開で一つにつながる瞬間は鳥肌もの。

  • 痛みを知るからこそ生まれる優しさ
    主人公・こころをはじめ、城の仲間たちは皆、現実での苦しみを抱えている。
    それでもお互いを助け合おうとする姿に、読み手も救われる。

  • ラストに訪れる“涙のカタルシス”
    結末は優しさと喪失が入り混じった感情の大波。
    読み終えてもしばらくは、胸の奥がじんわり熱くなる。

🐧なぞ九郎のひとこと

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辻村深月……やっぱりおそるべしぴよ。
『かがみの孤城』はただのファンタジーじゃないのだぴよ。

部屋の鏡から城に招かれる──そのワクワクする設定だけで心を掴まれるのに、城で出会う7人の中学生それぞれの痛みや秘密が、読み進めるたびに胸を締めつけてくるのだぴよ。

序盤はこころの不安と閉塞感がじわじわ来る。
でも仲間と少しずつ距離を縮める過程がもう尊くて、心が温かくなるぴよ。

ラストに向かって加速する真相解明と感情の爆発──ページをめくる手が止まらない勢いだ。
辻村の筆致は、心の奥の奥までスッと入ってきて、登場人物は誰一人“脇役”じゃない。

彼らの過去も、弱さも、強さも、全部が愛おしく感じられて、読み終えたあともしばらく現実に戻れないほど胸が残るのだぴよ。

読み終えたあなたも、きっと自分の“居場所”を探していたあの頃を思い出すはずだぴよ。

🎯こんな人におすすめ

  • 学園もの・青春小説が好きな人:友情や絆の描写に胸が熱くなるタイプ。
  • 心理描写をじっくり味わいたい人:人物の内面が丁寧に描かれている作品が好みの人。
  • 切なさと温かさの両方を求める人:ラストにじんわり来る読後感を味わいたい人。
  • ファンタジー要素と現実の問題(不登校やいじめなど)の両方を楽しみたい人
  • 映像(映画・アニメ)を見る前に原作で世界観を深めたい人
  • 中高生・ティーンの心情に共感したい大人の読者:若い登場人物たちの葛藤や成長を理解したい人。

🎬 映画『かがみの孤城』について

原作の感動をそのままに、2022年に劇場アニメ映画化された『かがみの孤城』。 美しい作画と幻想的な色彩、そして音楽の力で、物語の切なさと温かさがより一層引き立てられているぴよ。

原作で描かれた繊細な心理描写は、声優陣の熱演によって命を吹き込まれ、キャラクターたちがまるで目の前で生きているかのように感じられるのだぴよ。

小説を読んだ人も、これから物語に触れる人も、映像で体感する「鏡の城」はきっと新しい発見と感動をくれるぴよ。

👉 詳しくは 映画版『かがみの孤城』解説記事 もチェックするぴよ!

📝まとめ

『かがみの孤城』は、ファンタジーの魅力とリアルな人間ドラマが見事に融合した物語ぴよ。

辻村深月さんならではの繊細な心理描写によって、登場人物一人ひとりが生き生きと感じられ、誰ひとり脇役と呼べないほど感情移入できるのが最大の魅力ぴよ。

現実の痛みや孤独を抱える中学生たちが、「かがみの孤城」という不思議な場所で出会い、

少しずつ心を開き、つながっていく姿は切なくも温かいぴよ。

ラストに込められた伏線回収と真実の明かされ方は、読み終えたあとしばらく胸に残ること間違いなし。

青春小説、心理ドラマ、ファンタジー、そのすべてを味わいたい人におすすめの一冊ぴよ。

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